日本円→米ドルへの変換方法とコスト(2020年12月)
[2021/01/08 追記: ソニー銀行の雇用統計の日キャンペーン、タカシマヤプラチナデビットカードについて追記]
はじめに
アメリカへの異動が近くなってきたので、現地での生活を始めるにあたりその費用を支払う方法について調べる必要があったのでまとめた。
特に生活の初めは車や家具の購入等比較的大きな出費が控えている上にクレジットヒストリーがないためローンを組めない、もしくは組めても利率が高いケースがあるようなので、 いま日本にある日本円(JPY)をどうやって米ドル(USD)での支払いに使うか、使えるようにするかという話。
TL;DR
JPYをソニー銀行の円預金口座に入れた後USDを購入、現地ではSony Bank WALLETのVisaデビットを使うのが良さそう。利用限度額より大きい額を移す必要がある場合はTransferwiseを使う。
利用限度額は200万円/日、1000万円/月*1
JPYをUSの口座にUSDで送金する場合
Transferwise
言わずと知れたTransferwise。2020年12月現在の手数料は132JPY + 送金額の0.626%の模様。為替手数料はなし。
国内銀行の円口座から送金
銀行にもよるものの1750円*2から3000円*3 程度の手数料と、1.00JPY程度の為替手数料*4がかかる。
国内銀行の外貨預金口座から送金
一部の銀行*5では外貨預金口座から外貨のまま送金ができる。
為替手数料は円口座からの送金より安い(UFJでは0.25JPY*6 )が、そもそもの送金手数料はかかるのと追加でリフティングチャージ(max(2500JPY, 送金額の0.05%))がかかる。送金額が大きい場合は円口座からの送金よりは得かもしれない。
ソニー銀行の外貨預金口座にUSDを入れてデビットカードでそこから決済する
ソニー銀行は普通口座を開く際に外貨預金口座も開くことができ、Sony Bank WALLETのVisaデビットを使うと外貨預金口座から手数料なしで外貨での支払いができる*7。
入金方法は2通りあって、外貨預金口座を使う方法とFX口座を経由する方法がある。
外貨預金口座を使う方法
外貨の購入はWeb/モバイルアプリからできるようだ。Club Sのステージなしだと為替手数料は0.15JPY, シルバー、ゴールド、プラチナと上がるごとに0.10JPY, 0.07JPY, 0.04JPYと下がる*8。
シルバーは円普通預金に300万円以上もしくは3万円/月の外貨積立をすれば良いので達成しやすそう。ゴールド、プラチナは外貨預金残高がそれぞれ500万JPY, 1000万JPY以上あればよいのでそれだけ置いておけるなら良いかもしれないが、 外貨預金は預金保険の対象ではない*9のでそこにリスクがあることを認識しておく必要がある。
[2021/01/08追記]
ソニー銀行は毎月米国雇用統計の発表の日に手数料を0.07JPYに下げるキャンペーンをやっている模様。タイミングが合うならこれはお得。
また、タカシマヤプラチナデビットカードにはClub Sのプラチナが付帯している、が、年会費が33,000JPYかかるのでそこまで嬉しくはないかも…
FX口座を使う方法
FX口座を開設して円建てで証拠金口座に入金、ドル建ての建玉を購入、外貨預金口座へのデリバリーをする方法*10。
為替手数料が安い(0.015JPY)ものの、デリバリーの手数料が1取引単位(=10,000 USD)ごとに1000円かかる。 取引単位が大きいのと、FX口座は非居住者は使えない*11(=日本にいるうちに移動を完了する必要がある)のでその点に留意が必要。
日本のクレジットカードをアメリカで使う
海外旅行の際と同様に日本のクレジットカードをアメリカで使う。
メリットは特に手続きが必要でないこと、デメリットはコストが高いこと。カード会社が為替の基準レートを公開していて*12*13、ここにカード会社によって1.6-2.2%程度*14を手数料として上乗せしたレートで換算した額で請求される。
あとはカード会社によって不正利用を疑われるとカードが止められて電話しないと利用再開ができないというのもある。(一度現地でノートPCを購入する際にあった)
まとめ
試算した限り、1USD = 103.64 JPYで1,000,000 JPY(手数料なしだとして9648.32 USD)送金するとして
送金方法 | 送金手数料 | 為替レート, 1USD=XJPY(括弧内は為替手数料) | 受け取るUSD | 手数料なしとの差分 |
---|---|---|---|---|
Transferwise | 6392 JPY | 103.64(0) | 9586.65 | 61.67 |
UFJ/円口座から | 3000 JPY + コルレス銀行分 | 104.82(+1.18) | 9511.54 or less | 136.78 or more |
UFJ/外貨預金口座から | 5500 JPY + コルレス銀行分 | 103.895(+0.25) | 9572.16 or less | 76.16 or more |
楽天銀行 | 1750 JPY | 104.77(+1.13) | 9528.01 | 120.31 |
ソニー銀行/外貨預金+デビット | 0 JPY | 103.79(+0.15) | 9634.38 | 13.94 |
ソニー銀行/外貨預金(Club S シルバー)+デビット | 0 JPY | 103.74(+0.10) | 9639.02 | 9.3 |
ソニー銀行/外貨預金(Club S シルバー)+外貨送金 | 6000 JPY | 103.74(+0.10) | 9581.65 | 66.67 |
ソニー銀行/FX | 1000 JPY | 103.66(+0.015) | 9637.74 | 10.58 |
国内クレジットカード | 0 JPY | 105.71(+2.07) | 9459.84 | 188.48 |
となるので、総合的に考えるとソニー銀行でClub Sシルバーになったあと外貨預金をするのが良さそう。
大きい買い物でVisaデビットの限度額に引っかかるようなら送金額に応じてTransferwiseかソニー銀行(送金手数料6000円)を使うのがいい。
番外編
日本にあるJPYを使えるようにする方法ではないが、既にUSにRSUとそのための口座があればそれを売却してUSDを作ってUSの他の口座にtransferすることもできる、が使う予定のない日本円を預金しておくのも勿体ないのでできれば使えるようにしたい。
日本の証券会社で非居住者は日本での取引ができない場合が多いし、金融資産を保有してから渡航するのもアメリカで申告が必要なことから避けた方が無難とのこと。(下記記事参照)
ソフトウェアエンジニアの金融リテラシー. 日本とアメリカの狭間で | by Kazuki Sakamoto | Mediummedium.com
ビットコイン等の暗号通貨という選択肢もあるにはあるのだが今回は調べていない。
*1:https://moneykit.net/visitor/sbw/#anc03
*2:楽天銀行: https://www.rakuten-bank.co.jp/geo/remittance/charge/
*3:UFJ: https://www.bk.mufg.jp/tesuuryou/gaitame.html
*4:UFJ: http://www.murc-kawasesouba.jp/fx/index.php
*5:楽天銀行はできない模様 https://help.rakuten-bank.net/faq/show/10453?category_id=165&site_domain=individual
*6:https://www.bk.mufg.jp/tameru/gaika/kinri.html
*7:https://moneykit.net/visitor/sbw/sbw09.html
*8:https://moneykit.net/visitor/fee/fee02.html
*9:https://moneykit.net/visitor/fx/fx_notice01.html#fx02
*10:https://moneykit.net/visitor/sbfx/start/start09.html
*11:https://moneykit.net/visitor/support/support01.html
*12:Visa : https://usa.visa.com/support/consumer/travel-support/exchange-rate-calculator.html
*13:JCB: https://www.jcb.jp/rate/jpy.html
*14:https://www.kanzen-creditcard.com/knowledge/exchange_rate.html#fee